2011年02月01日

自動改札と手動改札

 


 「え、この駅 自動改札じゃないの? なんか人がいるしw うけるwww」

 そんな会話を、田舎の観光地に行くとよく耳にする。『自動改札』が当たり前だと思っている人の目には、『手動改札』は "非常に珍しいもの" として映るらしい。多くの場合は、驚きと共に嘲笑が混じっている。

 都市部に住む人は、自分の普段見ている世界が標準だと思い、田舎に住んでいる人も、(自分たちの世界ではなく)都市部の光景が標準だと思いがちである。実際、人口の大半が都市部に集中しているのだから、そう思うのも仕方がない。しかし、その「標準」だと思い込んでいる世界は、面積にすると日本の領土のごく一部分に過ぎないのだ。

 全国各地を列車で旅している人は、自動改札よりも手動改札の駅の方が多いことを経験的に知っているだろう。多くの地方路線では、自動改札なんてなかなかお目にかかれない。また都市部であっても、たとえば政令指定都市の広島駅なんかは、2005年まで自動改札がなかった。よって、自動改札がスタンダードだと思い込むのは早計なのである。

 しかしこの事実を人に話したところで、「ホントなの??」と疑問の目を向けられるだけである。思い込みを払拭するためには、実体験、もしくは揺ぎない確固たるデータが必要である。ここは一つ、定量的に自動改札の設置数を示さねばなるまい。そう思った私は、さっそく図書館へと向かった。


 


 鉄道に関する統計データは、『鉄道統計年報』という本に集計されている。目的の自動改札に関しては、その中の『停車場電気設備表』に記載があった。

 停車場電気設備表には、その名の通り全国の全鉄道・全路線の電気設備数が載っている。これを見れば『自動放送設置駅数』や、『監視用テレビジョン設置駅数』まで分かってしまうという、一般人には一生知る必要がないと思われる非常にマニアックな数値が満載である。

 この資料から、JRの全路線を対象に、自動改札の設置駅がいくつあるかを集計してみた。地味な作業であるので、その過程は省略し、結果をいきなり発表してしまう。

 ・JR北海道
   駅数:465、うち自動改札設置駅数:58
   ⇒ 自動改札比率:約12.5%

 ・JR東日本
   駅数:1728、うち自動改札設置駅数:713
   ⇒ 自動改札比率:約41.3%

 ・JR東海
   駅数:417、うち自動改札設置駅数:138
   ⇒ 自動改札比率:約33.1%

 ・JR西日本
   駅数:1224、うち自動改札設置駅数:446
   ⇒ 自動改札比率:約36.4%

 ・JR四国
   駅数:259、うち自動改札設置駅数:1
   ⇒ 自動改札比率:約0.0%

 ・JR九州
   駅数:557、うち自動改札設置駅数:108
   ⇒ 自動改札比率:約19.4%

 ・JR計
   駅数:4650、うち自動改札設置駅数:1464
   ⇒ 自動改札比率:約31.5%

  (出典:平成19年度鉄道統計年報)

 以上。

 これで明確に、自動改札はJR全駅の31.5%にしか設置されていないということが分かった。図書館に平成19年度版の鉄道統計年報しかなかったため、データが少し古くなっているのはご容赦願いたい(たとえばJR四国の自動改札設置駅数は、現在2駅になっている。ちなみにその2駅は高知駅と高松駅)。

 改めてデータを見てみると、実に3駅に2駅は手動改札なのだ。よって、手動改札を見て「珍しい!」というのはおかしいし、マイノリティをあざ笑うのもおかしい。日本は思いのほか広く、自分の世界での常識が、実は物理的に狭い範囲だけを見た常識だということが沢山ある。思い込みを捨て、広い視野をもって日常生活をおくりたいものである。

2010年08月13日

中之島線ラッシュアワー

 2008年10月に開通した京阪電鉄・中之島線。大阪のビジネス街、中之島を横断する全長約3kmの路線は、開業当初の期待を大いに裏切り、開業から今に至るまで、ずっと利用客の伸び悩んでいる路線です。大阪の中心部・梅田からは約1km、そのうえビジネス街を横断しているとなると、確かに立地は抜群かのように見えます。ただ如何せん、他線への接続があまりにも悪く、使いたくても使えないというのが正直なところではないでしょうか。

 
 (中之島線の路線図)

 そんな中之島線ですが、私はこの路線が大好きで(主に閑散としてる辺りが)、通勤経路でもないのに毎日わざわざ遠回りして利用しています。これまでにも、新築の駅が雨漏りしている残念な様子などを伝えてきました。

大江橋駅(2010/1/19)
続・大江橋駅(2010/2/2)

 最近では、通勤前に中之島を散歩してから会社に行くことも多くなり、その際に中之島線内の各駅を日替わりで利用するようになりました。これまでは「大江橋駅」を利用するだけなので気付きませんでしたが、各駅に行ってみると、どうしたことか、どの駅も大江橋駅と同様の雰囲気があるではないですか。大江橋駅で感じていた特異な雰囲気は、中之島線全駅に共通するものだったのです。
 そんなわけで今回は、その特異な雰囲気を伝えるべく、中之島線の朝のラッシュ時の様子についてレポートしたいと思います。


●とその前に、淀屋橋駅

 中之島線の駅に行く前に、参考までに、まずは中之島線からほど近い御堂筋線「淀屋橋駅」の平日朝の様子です。中之島線・大江橋駅は、この淀屋橋駅から200mほどしか離れていません。

 

 

 淀屋橋駅と、淀屋橋の周辺です。大阪市役所もあり、いかにもビジネス街ちっくな雰囲気があります。

 

 

 そして平日朝8時前のホームの様子です。まだピーク時間帯ではないため、さほど混んではいませんが、まぁ納得の混雑度といったところです。


●中之島駅

 

 中之島線の最初は、終着駅の「中之島駅」からです。乗り換え駅は環状線の福島(もしくはJR東西線の新福島)らしいのですが、果たして乗り換え駅として利用している人はいるのでしょうか。地上連絡で、距離も600mくらいあります。

 

 周辺に人の気配がなく不安になりますが、さっそく駅に入ってみましょう。

 

 端っこの出口から入ったので、改札に辿り着くまで、こんな長い通路が続きます。平日の朝8時前ですが、特に混んでいる様子はありません。むしろ"誰もいない"という表現の方がしっくりくる閑散度で、なぜだか安心感があります。これぞ中之島線クオリティなのです。

 

 しばらく歩くと、中之島駅の改札に到着します。切符売り場にも誰もいません。

 

 改札前の様子と、

 

 

 改札内の様子。ここも見事に、人っ子ひとりいませんね。

 

 ホームも電車もガラガラです。このように、とても朝のラッシュ時間帯とは思えない穏やかさが中之島線にはあるのです。

 と、これだけ見ると本当に誰もいないように見えますので、いちおう中之島駅の名誉のためにフォローしておきますと、電車が到着した瞬間だけはそれなりの賑わいを見せていました。実は降車客は結構いるんですが、乗車客がいないため、電車が到着すると一気に混んで、その人たちが捌けるとすぐに閑散として……というのを繰り返している感じでした。

 ここで勝手に、「中之島線・朝の賑わい度」を☆で示します。あくまで中之島線内の駅間での相対評価です。

 ・中之島駅の朝の賑わい度:☆☆☆

 いきなり出ました、星みっつです! さすが終着駅とだけあって、人は多い方ですね(とてもそんな風には見えないかもしれませんが、あくまで相対評価なので……)。

 

 ところで中之島駅といえば、このホーム終端のオブジェクト。将来的にはこの中之島駅からさらに路線を延ばし、阪神線と接続する計画もあるようで、その意気込みが感じられるオブジェクトです。中之島線の賑わいのためにも、ぜひとも早期実現してもらいたいものです。


●渡辺橋駅

 

 中之島駅から東に900mほど行ったところに位置するのが「渡辺橋駅」。駅に行く前に、まずは駅付近の堂島川の風景です。高速道路やら高層ビルが群立しており、いかにも都会のビジネス街を彷彿とさせる光景です。

 

 そして駅名になっている渡辺橋の周辺です。朝日新聞のビルがそびえ、歩道は通勤途中のサラリーマンで賑わっています。これぞザ・通勤風景ですね。これを見ると、駅も普通に賑わっているのではと思ってしまいます。

 

 さて、駅に入ってみます。

 

 駅の端っこから進入したため、やはりホームまでの長い通路を歩きます。地下に潜ると、一気に人の気配がなくなりました。

 

 真新しいエリアに到着すると、そこはもう渡辺橋駅の中。コンビニやマクドナルドがあって、それなりに人の姿が見え始めました。とはいえ、まだ数えるほどしかいませんが。

 

 ここは、飲食店が建ち並ぶエリアです。朝なのでどこもシャッタが閉まっていて、余計に寂しさを演出しています。

 

 さらに階段を下りて、改札に到着しました。大方の予想通り、誰もいません。

 

 ホームもほとんど人の気配がありません。駅の外(というか真上)は賑わっているのに、それとは対照的な渡辺橋駅構内。これぞ、典型的な中之島線の風景です。

 ・渡辺橋駅の朝の賑わい度:☆☆

 降車客は中之島駅ほどではないものの、マクドナルド辺りがそれなりに賑わっていたので、星ふたつです。

 

 ほとんどの人は使う機会のない駅かと思いますが、京阪沿線から堂島のジュンク堂に行くときには便利な駅ですよ。かなりピンポイントな便利さですが。


●大江橋駅

 

 大江橋のたもとにあるのが「大江橋駅」です。先に紹介した(大阪で朝の混雑が一番酷いとされる)御堂筋線・淀屋橋駅からわずか200mの距離にあり、駅前も通勤途中のサラリーマンで賑わっています。私も毎朝、淀屋橋駅から中之島に上陸しています。

 

 例によって、見慣れた中之島線の出入り口から地下へと降りていきます。

 

 いきなり広い空間が現れました。もうお分かりかと思いますが、人なんてこれっぽっちもいません。

 

 先ほどの広い空間から、幅広の階段とエスカレータが二基伸びています。でも誰もいません。立派な設備なのに、使用頻度が少なさそうなのは寂しい限りです。

 

 通路にも誰もいません。

 

 切符売り場と、

 

 改札、

 

 改札の中から、

 

 ホームに至るまで、
 見たまんまの表現ですが、誰もいませんでした。以上、終了。

 

 ここの駅も、先に紹介した駅と同じく降車客はそれなりにいるのですが、どうしても電車が到着する前のこの閑散さが目立ってしまいます。

 

 新築なのに雨漏りがあったり、SUBWAY(サンドイッチの店)が早々に閉店してしまい、以降、何の店も入らず半年以上シャッタが閉まったままになっていたりと、相変わらずの寂しさを見せる大江橋駅。利用客は徐々に増加しているように見えるんですが、まだまだこの異様な閑散さからは抜け出せそうにありません。

 ・大江橋駅の朝の賑わい度:☆☆

 とはいえ、淀屋橋にも近く降車客も多少いるので、星はふたつにしておきます。


●なにわ橋駅

 最後は、「なにわ橋駅」です。

 

 大江橋駅方面から向かうと、途中で中之島図書館や中央公会堂など、レトロモダンな建物が目に入ります。

 

 そんな風景の中をしばらく歩くと、唐突に出現するのが なにわ橋駅。他の駅とは違って、周りの風景との調和を目指した(?)、かわいくてモダンな四半円型の駅舎が地上に飛び出していました。

 

 でも駅のまわりは……。駅の周辺だけは賑わっていた他の駅と違い、こちらは人っ子ひとりいません。サラリーマンの通勤風景もありません。

 

 地下にもぐって、

 

 さらに地下にもぐって……

 

 券売機のある場所に到着しました。えーと、ここまで誰ともすれ違いませんでした。平日の朝8時ですよ?

 

 改札のまわりにも、もちろん誰もおらず、

 

 こちらは改札内の風景ですが、やはり誰もいません。駅員も常駐しておらず、客もろとも何者かに連れ去られてしまった後のような、不思議な空間です。どうしてこうなった。

 

 ホームに出ても、もはや説明不要の閑散度。

 

 電車が来ても、この駅ばかりはほとんど降車客がいません。Wikipediaによると、このなにわ橋駅は、京阪線で一番利用客が少ない駅だそうです。都会のど真ん中にありながら、ここまで人のいない駅は、他に類を見ないのではないでしょうか。というわけで、

 ・なにわ橋駅の朝の賑わい度:(星なし)

 文句なしで、この駅は星なしです。ここまで人がいないと、逆に不思議な雰囲気が味わえます。秘境駅でもないし、こういう駅はなんて呼んだらいいんでしょうか。駅秘境?

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 以上、中之島線の朝の様子を見てきました。私はかれこれ1年以上、中之島線を利用していますが、もうずっとこんな感じです。
 通勤の喧噪から離れて、朝から穏やかな気分になれる中之島線。少し遠回りしてでも利用したい路線です。この雰囲気を保つためにも、みんなもほどほどに乗ろう、中之島線!

2010年01月04日

そうだ 弁天山、行こう。

 日本一低い山、弁天山のイメージビデオを作ってみた。


 


 映像は、この正月に初登山に行ったときのもの。山も正月バージョンなので、富士山型の電飾がキラキラ光っているレア(?)な映像である。

 撮影しているときに、「そうだ 京都、行こう。(Wikipedia)」のBGM付けたらしっくりくるんじゃない? みたいなことを話していたので、いっそのこと、そのまんま「そうだ 京都、行こう。」のような感じにしてみた。このCM、関西では流れないから、実際にテレビで見たことはないんだよなー。

 そして試しに、ニコニコ動画にもアップ。こっちは画質悪いな。なんかアップするコツがありそう。


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 ところでこの弁天山、いつのまにか「bentenyama.com」を取得して、公式ページを開設していた。ライブカメラまであるとは、なんという力の入れよう。

2009年11月24日

記念メダル刻印機

 先日の旅行で、下関の海峡ゆめタワーに上った。そこで一番印象的だったのが、下関の美しい夜景ではなく、「記念メダル刻印機」だった。


 


 このマシン、全国の観光地に設置されているため、誰もが一度くらいは見たことがあるのではないか。

 これは、まず左の販売機で記念メダル(その観光地を表す絵柄になっている)を購入し、その隣のマシンを使って、購入した記念メダルに好きな文字を刻印するというもの。個人的には、「昔は流行ってたけど今は影を潜めている系のお土産」のイメージがある。(最近はご当地ピンズにお株を奪われてしまったような)

 これまでの旅行でも、幾度となくこのマシンを見てきただろうと思う。ただ今回は、周囲の雰囲気も相まって、なんとも言葉にしがたい不思議な魅力があったのだ。その独特の雰囲気を伝えるため、動画を撮ってきたのでご覧いただきたい。(無駄にハイビジョンで見られます)


 


 闇に浮き上がる妖艶な光、無骨なマシンボディ、周囲に流れる寂しげな音楽、そして極めつけは、テレビに表示される前時代的な映像、そこに映し出される「誰?」って感じの謎のマスコットと変な模様……。ほとんど観光客がいなかったことも、雰囲気作りに一役かっていると思う。

 すっかり過去の遺物感が漂っているのに、まだまだ現役なところが素晴らしい。きっと地デジ移行後には、全国の使われなくなったアナログチューナ付きテレビが、この記念メダル刻印マシンの表示用モニタとして余生を送ることになるのでしょう(適当)。


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 記念メダルに興味が出てきたため、いろいろ調べてみた。

 まず、全国にある記念メダルと販売機、刻印機の大半が、大阪の茶平工業の製品らしい。その会社の公式ページも存在し、そこではなんと全国に散らばっている記念メダルの販売場所が分かるようになっている。
 マシンの古めかしさからすっかり錯覚していたのだが、メダルの方は今もなお新しい種類が作られているようだ。

 コレクション系アイテムなので、コレクターの人も多いようだ(検索するといろんなサイトが見つかるので省略)。中でも、記念メダルマシーンのページに、いろんなマシンの写真が集まっている。これを見る限りでは、どれも基本は似たような感じで、近年に劇的なモデルチェンジがあった風ではない。そのうち、あの古めかしい映像がフルカラー、高解像度化される日が来るのだろうか。

2009年07月25日

紙幣・貨幣の聖地巡礼

 この前の沖縄旅行の写真から一枚。


 


 年々影が薄くなっている印象のある二千円札(平和希求紙幣……)。私は相変わらず常時1枚の二千円札を携行している。さすがに3枚は持ってないけど、1県民ではないのでどうか許して欲しい。

 そのおかげで、守礼門に行った際に二千円札の図柄とほぼ同じ構図の写真を撮ることができた。いま流行りの言葉を借りれば、これは聖地巡礼(Wikipedia)と言えるのではないか。


 
 ▲二千円札の聖地巡礼写真。もう少しあおった方が良かった


 聖地巡礼とは、アニメやドラマのロケ地に行き作中と同じ風景を目にして感動したり、さらに全く同じ構図を探し写真に撮ったりして満足すること。それでいくと、これは紙幣の聖地巡礼に他ならない。

 よくよく考えると、近年の紙幣の図柄と言えば人物ばかりであった。それがここに来て守礼門。おまけに二千円札自体がレアなので、このことは世間にはあまり認知されていないかもしれない。二千円札は聖地巡礼ができる!

 大好きな二千円札のことなのでつい興奮気味になってしまったが、ついでに貨幣に目を向けてみると……なんのことはない、十円玉が平等院鳳凰堂である。こっちはみんな財布に入っているので、平等院鳳凰堂に行った際に一緒に写真を撮るのは容易である。“平等院鳳凰堂 十円”で画像検索すると、それなりに写真が出てくる。みんな無意識に聖地巡礼していたのである。

 そんな紙幣・貨幣の聖地巡礼であるが、おそらくこのことを「聖地巡礼」と呼んでいる人はまだいないのではないか。紙幣に対して「聖地巡礼」を使うなんてニュアンスが違うと言われそうだが、せっかく思いついたので、みなさん守礼門や平等院鳳凰堂に行った際には使って欲しい。


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余談:
 紙幣や貨幣のことを調べていると、天皇陛下御在位20年記念貨幣が発行されることを知る。なんと1万円硬貨。しかも純金+特殊加工なので売価は1万円以上するらしい。
 これは欲しい。でもコレクションアイテムに1万円超は少しためらいが……。

2009年07月20日

日本の端っこと証明書

 先日、人生初となる沖縄に行ってきたのだが、その主たる目的は言わずもがな端っこである。つまり日本最西端の与那国島・西崎と、日本最南端(民間人が到達可能な地点)の波照間島・高那崎だ。最北端と最東端はすでに到達済みなので、これで日本の端っこを制覇したことになる。
 趣味で岬めぐりをしているのに、日本四端すら制覇できてないというのがずっと心につかえていたため、これでようやくスッキリできた。せっかくなので、各端っこの写真でも。



2009.07.14 日本最西端(与那国島・西崎)



2009.07.16 日本最南端(波照間島・高那崎)



2006.09.12 日本最東端(北海道・納沙布岬)



2006.09.15 日本最北端(北海道・宗谷岬)


おまけ・・・

2008.04.12 日本の中心(兵庫・日本へそ公園)


 次なる端っことしては、「離島を除く」日本の端シリーズが手軽に達成可能かなと思っている。この場合、北と東は変わらずに、最西端が長崎の神崎鼻、最南端が鹿児島の佐多岬になる。
 そのうちの神崎鼻は4月に行ってきたため、残るは佐多岬だけなのだが、ここが意外と曲者。というのも、近くを走るバス路線が数年前に廃止になってしまったのである。よって、現状ではレンタカーくらいしか現実的な到達方法がないという、実に鉄道・バス旅泣かせの岬なのだ。さっさと到達しておきたいところだが、さてどうやって行こうかな……。


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 ちなみに、端っこなどの記念になる場所に行くと「到達証明書」を売っている場合が多い。今回の最西端・最南端でも、例によって「証」を売っていた。



 私がいままで買った証の中でも、これらはかなり上等な部類の証である。紙質も良く台紙も付いていて、その分値段も上等で500円。コレクション性が高いアイテムになっている。

 こういうアイテムがあるとなると、きっと全国の証明書の類を集めている人がいるに違いない。そう思って調べてみると、やはり収集結果をウェブ上で公開している人が何人もいた。この手のコレクションを見た感想としては、すごいというよりも、むしろ悔しい。日本へそ公園の証明書なんて、あったことすら知らなかったぞ、むむむ……。

●コレクション数が多いサイト
到達証明書寄る辺ない旅
訪問証明書コレクションジムで行く、日本旅
各種証明書(北海道限定)(まーくんの北海道旅行記

2009年05月09日

土手の一日

毎日、自転車通勤で淀川の土手を疾走している。今まで土手とはあまり縁の無い生活をしていたのだが(金八先生以外はだいたいそうだと思う)、ここに来て土手の面白さが分かってきた。土手には、土手百景とでも言うべき、土手特有の情景が広がっているのである。



朝、圧倒的に散歩中の老人が多い。途中、釣堀ではないのだが、なんとなく釣堀的になっている場所があり、朝も早よから釣りに勤しんでいる人たちが大勢いる。あーちくちょう、うらやましいなー、などと思いながら釣り人の横を駆け抜けていく。

朝の気になる風景その1は、リカンベントという仰向けで運転する自転車に乗っている人。ものすごくしんどい姿勢に見えるんだけど、あれは乗りやすいものなのだろうか。土手ならまだいいけど、普通の道はかなり走りづらそうだ。
一時期は毎日同じ時間にすれ違っていたので、勝手に「定通」などと心の中で思っていたのだが、最近は私の通勤時間が早くなったので、見ることはなくなってしまった。

代わりに最近気になっているのは、後ろ向きに歩く人。それも一人ではなく、何人も見る。
後ろ歩き健康法でもあるのだろうかと思い調べてみると、どうやらダイエット法の一つのようだ。普段使わない筋肉を使うので云々かんぬん……。
ダイエット効果については良く分からないが、傍から見ると危なっかしいし、変な姿勢で歩くから腰を悪くするんじゃないかと老婆心ながら思うのであった。日に何人も見るので、そこそこメジャな運動だと思われる。こんな情景は、土手以外では見られまい。土手の朝は、運動の朝だ。



夜、ずっと帰りが遅かったので、真っ暗な夜の情景は見慣れたもの。そんな夜の土手の主役は、あんまりいない。特に冬場はほとんど人がいない(吹きさらしなので、寒いことこの上ない)。夏場はたまに花火をしている若者がいる。

そんな中で少数ながらコンスタントにいるのが、犬の散歩をしている人である。
夜中に近い時間でも平然と犬を連れている人がいる。しかし暗闇の中の犬は大変危なっかしい存在である。土手には街灯がなく本当に真っ暗で、特に犬は身長が低いせいもあって、気づかずにうっかり轢いてしまいそうになる。
そこで結構メジャになってきていると思われる犬土手アイテムが、犬に付けるLEDライトである。犬事故防止には非常に良いアイテムだと思う。
ただ暗闇に小さな光が浮かび上がって見えるので、遠くから見ると非常に不気味である。パッと見は、何か得体の知れないものが地面に近いところでモゾモゾしているようにしか見えない。

河原にたたずむカップルもいる。ただ私は知っているのだ。夜にカップルが座っている場所は、朝の土手ではホームレスの人が集まっている場所だ。時空を超えて朝と夜の情景がダブって見える。そうか、これが定点観測の面白さなのか、などとどうでも良いことを考えながら帰りを急ぐ。



夕方。今年になって定時で帰らされる日が増えたので、夕方の土手を通ることも増えてきた。夕方は朝や夜と雰囲気が違い、実に華やかである。犬の散歩をする人、ランニングをする人、野球をする人、釣りをする人、写真を撮る人、その他もろもろ。いわば土手のゴールデンタイムである。

土手は空の広さを感じることができる。遮るものが少ないので、真上を見上げると視界いっぱいに空が広がる。特に夕方は、あかね色に染まる空が、だんだんと闇に近づいていく様子に、思わず見とれてしまう。そんな日には芝生に寝そべってゆっくり空を……といきたいところだが、犬の糞が気になるので芝生は危険である。リスクを考慮した冷静な判断が土手には求められる。


さて、残りは昼の土手なのだが、残念ながらこれは未体験である。昼にはどんな土手風景が広がっているのだろうか。今後も土手から目が離せない。

2007年02月10日

昔の計算機を使う

先日,部屋で探し物をしていると,段ボール箱の中から年代物の計算機が発掘されました。それがこちらです。

・計算尺


・RPN電卓


見た目からして,骨董品の匂いがプンプンと漂ってます。

パッと見た感じでは使用法の分からないこれらの計算機。普段は便利な「関数電卓」を叩いているわけですが,こんなにも素敵な計算機が家にあるんだから,それを使わずにしまっておくのは勿体ない。
ちょうど段ボールから発掘したのも何かの縁と思い,使い方を調べて修得してみることにしました。

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2006年10月04日

巡り欲

前(といっても2年以上も前だけど)に旅行献血がどうのこうのと書いたが,Wikipediaの海を彷徨っていると,スタンプラリーの項にいろいろと記述があった。

りそな銀行を巡って印字を集める「りそめぐ」,全国各店のミスドカードを集める「ミスタードーナツ巡り」など。旅行貯金も同様だけど,さすがにここまで巡る対象の分布が激しいと,始めるにしてもなかなか踏ん切りが付かない。やっている人を尊敬してしまう。

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2005年11月27日

大学名の規模

TOEICを受けてきた。これでもう5回目になるので,さすがに要領が分かってきた気がする。マークシートなんだから,もっと早く結果を出してほしい。

さて,受験会場は毎度毎度の「四国大学」であった。同じく島名(?)を冠している北海道大学,九州大学は帝大なのに,四国大学は私立である。調べてみると,過去には本州大学ってのもあったらしい(長野大学に改名)。さすがに「本州」は やりすぎだと言われたのだろうか。ちなみにそれも私立である。

地域名で見ていくと,国立の北海道大学,東北大学,九州大学,信州大学を筆頭に,私立では関東大学,北陸大学,中部大学,東海大学,関西大学,四国大学あたりがある。これだけあるのに,意外と中国大学は無いらしい(China にはあるかも)。

でもやはり,一番名前の規模がでかいのは「日本大学」であろう。
名前だけで大学をみると,頂点が日本大学で,たぶんその下に地域名を冠した大学(上記の東北大学,九州大学など)がある。そして,その地域名大学の下に,地方名大学(徳島大学など)が位置しているという感じである。
例えば,日本大学の下には関西大学があり,その下に大阪大学や京都大学がある。この方が命名規則が出来て分かりやすい感じはする。そのうち「大学名の規模」偏差値を定義したい。