2009年02月22日
会社の同期と「てっこん」(旧・鉄道旅行同好会)というサークルを作り、たまに活動している。今日はその活動の第三回ということで、てっこん初の「島てっこん」と銘打ち、「友ヶ島」という島に遠征してきた。
これは、その活動の全記録である。
ちなみに、過去の活動はこんなの。不定期で集会は行っているものの、遠征は実に1年ぶりとなる。
・第一回 「彦根城、三方五湖(未遂)」(2007/10/27)
・第二回 「姫路城、坪尻駅、鳴門」(2008/1/12~13)
#もともと鉄道旅行メインの会だったが、だんだん鉄道とかけ離れてきたので、最近では単に「てっこん」と呼んでいる。
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友ヶ島は、和歌山県の加太沖にある無人島である。夏場はキャンプなどアウトドアで賑わう島らしいのだが、冬場は連絡船が一日2往復の運航しかなく、早い話が「行き」と「帰り」の便しかない。乗り遅れたらそこで終了(島に取り残される)という、男らしいダイヤである。
無人島、冬季、最低限の便しかない連絡船。なんとなくミステリを予感させるキーワードに心を躍らせながら、我々は一路島に向けて出発した。
まさかこの孤高の島であのような惨劇が起ころうとは、このときの私たちには知る由もなかったのである(ウソ)。
【最寄り駅へのアクセス編】
友ヶ島ゆきの船は、和歌山県の加太港から出ている。港までは、南海・加太線に乗って終点の加太まで行き、そこからは徒歩で到達できる。大阪を出発したときには、昨日の大雨がウソのように晴れ渡っていたのだが、目的地に近づくにつれて雲行きが怪しくなってくる……。
思えば第一回活動のときには、突然の大雨でずぶ濡れになった。レンタサイクルをしようとした福井の三方駅では、「今日は冬の風が吹いているから、やめておいた方がいい」と、地元の人に止められる始末。第二回活動のときも、やはり一日目は雨だった。
とことん天気運のない我々であるが、今回は島を散策する予定なので雨から逃げようがない。なんとか天候よ回復してくれ、と願いながら、南海和歌山市から加太ゆきの電車に乗り込んで刹那、
ボタボタボタ・・・
何か車両に当たる音がする。窓の外を見ると、み、みぞれ・・・! 天気予報では晴れなのに、みぞれが降ってきた。みぞれなんて、そんなに頻繁にある気象現象ではない。なぜこんな日に限ってみぞれ。
絶望的な気分になりながら、呆然と窓の外を見つめる。果たしてこの旅行はどうなってしまうのだろうか。
【加太駅編】
大阪を出発して約3時間、ようやく島へのアクセスポイントとなる加太に到着。さて、先ほどのみぞれはどうなったのかというと、加太に着くことには止んでいた。いたって普通の展開であった。
それでもまだ、小雨混じりの怪しい天気には変わりないので、油断は禁物。といいつつ、傘の一つも持っていない油断ぶりである。
南海・加太線の終着駅である加太駅には、いろいろな見所が存在した。
1.なんと、駅の便所が「ボットン便所」
衝撃的な駅便所(略すと駅便)、そしてすごく臭い。
2.斬新な顔出し看板
魚介類という時点で「顔出し」の意味がない、というのはツッコミ所ではない。この看板には謎のギミックがあり、これが面白い。
裏をのぞくと、顔出しの部分にシートがかかっていて、顔を出すときにはセルフでめくるようになっているのだ。これで、顔を出さないときでも見栄えが良い看板になるわけである。また、看板の裏とは思えぬほど注意書きが充実しているのも魅力の一つ。製作者(加太観光協会)の使用者に対する配慮が伺え、暖かい気持ちにさせてくれる良看板である。
なにげに烏賊が自らイカそうめんを、蛸がたこ焼き?を作っており、共食いを連想させる自虐的メッセージが込められているのも見逃せない。
3.駅前のコーヒーショップの名前が「姫路」
加太なのに。
【港に向かう編】
駅から港へは、1.5kmくらいの道のりである。道中には観光協会の詰め所があり、そこで島の地図を調達した。ゲームなら、なんらかのSEが鳴る場面である。その地図を見ながらわいわい話し込んでいると、誰もいないと思っていた詰め所の中から、突然ゲストキャラのおばちゃんが登場。さらにいろいろと島の情報を入手することができた。
気さくなおばちゃんだったが、果たして一日に何人の旅人がこの詰め所にやってくるのだろうかと考えると、少し寂しい思いがした。なんといっても、この辺随一の観光名所である友ヶ島へは、この時期は実質一日1往復しか船便がないのだ。たぶん今日の客は我々だけだったのではないか。(帰りもここの前を通りかかると、おばちゃんは飛び出して来てくれた)
港へ向かう道の途中には、 販売機能の殺されたタバコの自動販売機、もとい「機」があった。ちなみにこの機が置かれている店は、「営業時間 4:00~16:00」と書かれてあるにも関わらず、9時半の時点では閉まっていた。そして帰りに通ると、16時を過ぎているのに開いていた。
【上陸編】
そんなわけで、長い前置きを経て、いよいよ島に上陸である。
島へは片道1000円、往復2000円なので、もちろん往復切符を購入。片道切符を設定する必要性はどこにあるのだろうか、などと考えながら風情ある船着場をしばし眺める。これぞ船着場オブ船着場(語呂が悪い)の風情である。アクセントとしてスーパーカブがあるのが良い。これで猫がいれば、なんとなく完璧であろう、なんとなく。(猫に関しては、ちゃんと近くの駐車場に寝転がっているのを帰りに見つけた。さすが船着場オブ船着場、抜け目がない)
思わず港ポーズをとる、メンバーの太郎さん。これも船着場風情。人はなんで船着場でこういうポーズを取るのであろうか。(何か元ネタがあるんだろうな)
そしてこれが、今回われわれを島にいざなう船、「ともがしま」である。船にはすでに、数名の地元民と思われる方々が乗り込んでいた。釣り人っぽい人もいるものの、ほとんどの人は軽装である。犬を連れている人もいる。一体、島には何があるのであろう。
ちなみにこの人たちの大半は、島に着くと、待ち構えていた軽トラの荷台に次々と乗り込んで、島の奥地へと入っていった。その後の行方は知れない。(ホントに、帰りの船にはいなかった)
相変わらず天気は悪い。しかし、島に着くまでにも様々なユカイと出会い、旅の緊張がほぐれていくと共に、空にも薄っすらと日が差してきた。
猛烈に揺れる船に乗ること20分、我々はついに絶海の孤島・友ヶ島への上陸を果たしたのであった。(誇張表現含む)
つづく。
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