2006年09月10日

2006年 北海道・岬めぐり旅 〜2日目 その2

その1からどうぞ。

前回までのあらすじ: いよいよ青森まで来たよ。


前回来たときに,忘れもしない,特急の2時間30分遅れをくらった青森駅。まさか,またすぐにここまで来ることがあろうとは。

前回来たときには気づかなかったが,青森駅の発車ベルのケースはリンゴの形になっていた。

そんなリンゴを見ながら,津軽線・普通列車に乗り換える。
ホームには,よく見慣れた紫帯のステンレスの塊。ここまで来ても,まだロングシートか……。

●青森 1301→1340 蟹田

蟹田〜木古内間の特急の特例(特急券なしで特急に乗れる)で,18きっぱーにはお馴染みの蟹田に到着。後続の白鳥との接続が良い時間帯なので,その特例を使って特急に乗る人が結構いるようだ。

しばらく賑わっていた蟹田だが,特急が出てしまうと,ホームに残ったのは数人になった。蟹田で降りるのは初めてだったので,その辺を散策する。

ホームに居て目に付くのは,太宰治の言葉が書かれた木。「蟹田ってのは風の町だね」と,なにやら格好いい口調で語っている。小説「津軽」の一節のようだ。

これを見ても分かるように,この辺まで来ると津軽弁がキツくなって,何言ってるのか分かりにくくなってくる。

●蟹田 1400→1439 三厩

そうこうしているうちに,やってきたのが気動車! ついに気動車登場で気分が盛り上がる。

しかも車内はガラガラで良い感じ。

車窓に広がるのは,ひたすらの田園風景。

駅間も長く,だんだんと最果て感が出てきた頃,終点の三厩に到着した。

●三厩駅 1450→1522 竜飛崎灯台(外ヶ浜町営バス)

岬までは,町営バスが運行されている。
いまでは「町」だが,平成の大合併の前までは「村」だったらしい。いかにも村っぽい集落を縫うように,細い道をバスがズンズン進んでいく。

このバスだが,田舎にしてはかなり値段が安く,均一運賃で200円である。
しかも地元の人には様々な特典があるらしく,子どもは無料だとか,病院に行く人は薬をもらった領収書を見せれば無料だとか,通常あり得ないサービスがあって驚いた。地元密着型のすごいサービス精神である。

雨が降るか降らないかの怪しい天気だったが,バスが集落から海沿いに抜けると,だんだんと気分が盛り上がってきた。第一の岬は近い。

●「龍飛崎」

道中ビックリするような細い道&急カーブを抜け,竜飛崎灯台バス停に到着。ついに本州の果てまで来てしまった。
この時間にバスで降り立ったのは,ワタシを含む一人旅の人が4人であった。結構みんな一人で岬に来るんだなぁ。

バスを降りて,まず目に付くのはこの碑。石川さゆり「津軽海峡冬景色」の歌碑なのだが,ボタンを押すと大音量で「津軽海峡冬景色」の歌が流れる。なんともシュールな光景で,非常にユカイだった。
来た人はみんな押していくので,常に岬には「津軽海峡冬景色」が流れていた。これも岬の風情か……。

歌碑からほど近い「階段村道」(後述の階段国道のパロディ)を上ると,竜飛崎の展望台に出る。

岬からの眺め。

一緒のバスで来たおじさんが居たので,写真を撮ってもらう。いちおうこの旅では,「岬で写真を撮る」というのを自分ルールにしていた。これで一枚目。後で見ると,古くさいピースサインと妙な笑い顔から,当時の興奮が伝わってくるような来ないような。ここまで遠かったもんなぁ。

海の向こう,遠くに霞んで見えるのは,これから目指す北海道である。北海道の地は近い。

一通り岬を堪能したあとは,おなじみの階段国道339号へ。

ここはただの階段なのだが,

実は「国道」だという謎の道。

最後の方なんか,ただの路地だし……。

階段国道を下り終えると,竜飛漁港がある。
バス停もあるので,ここで帰りのバスを待つことにする。竜飛崎周辺は,のどかな良い場所であった。

●竜飛漁港 1642→1712 三厩駅(外ヶ浜町営バス)

帰りのバスは,行きで乗ってきたバスの折り返し。
さっき一緒のバスでやって来た他の3人も……と思ったけど,一人いない。たしか函館から朝一で来たと言っていたおばあさん,一体どこへ行ったのか??

そんな疑問もさておき,再び三厩駅。

改めて時刻表を見ると,結構すごいダイヤだ。一日5本しかない。
40分ほど待ち時間があったので,駅ノートを見たり,書き込んだりしながら時間をつぶす。やがて蟹田行きの列車に乗って三厩を後にした。

●三厩 1755→1836 蟹田

一日5本のうちの貴重な1本(しかも終電)なのに,三厩から終点の蟹田まで,乗降客はほぼゼロだった。普段乗らないので大きいことは言えないが,今後の路線の存続が心配になったり……。

蟹田では,またもや40分ほどの待ち時間。
暇だなぁ,と思って待合室で座っていると,慌ただしく一人のおばあさんがやって来た。一緒のバスで竜飛崎へ行ったけど,帰りのバスに乗ってなかった人である。
「特急はもう出たましたか」と聞かれたので,時間を確かめすでに発車した事と伝えると,ひどくガッカリした様子でいろいろ話してくれた。

竜飛崎で階段国道ではない謎の階段に迷い込み,バス停が分からなくなったこと。で結局バスに乗り遅れたこと。町営バスだったので役場に連絡を取ったが話が噛み合わず,結局タクシーを呼ぶのに50分もかかったこと。

それでしかたなく蟹田までタクシーで来たという(40km近くあるであろう)。これから18きっぷで函館に帰るようだが,木古内で普通列車に乗り継げる最終の特急に乗り遅れたので,今日中に帰るためには乗車券+特急券を買って函館まで特急で帰らないといけない。

こういう田舎では,一本でもバス&列車乗り逃すと大変な事になるというのがよく分かる事例であった。
おばあさんは,あの後ちゃんと帰れただろうか。

●蟹田 1912→1952 青森

時間がきたので先のおばあさんと別れ,青森へと引き返す。真っ暗闇の中を電車は進む。

そして再び青森駅に降り立った。

このあとは,札幌行きの夜行列車「急行はまなす」でいよいよ北海道に入る予定である。しかしながら,まだ時間があるので,例によって銭湯へ。
青森駅から一番近い銭湯を調べて行ったのだが,見事に貸切状態で気持ちがよかった。

●青森 2245→501 苫小牧(急行はまなす)

今夜の宿となる「はまなす」は急行列車だが,北海道&東日本パスの特例で,自由席に限り自由に乗降ができる。なんて都合の良い特例なんだ。

やがて「はまなす」が入線する。
座れないとイヤなので50分くらい前から列に並んでいたが,30分前には早くも入線してきたので,さほど待ち時間もなく,難なく席をゲットできた。

今日の寝床は単なる椅子。グレードは低いが,ほとんどタダみたいなものだから,文句は言えない。
しばらく起きて車内改札を待っていたものの,車掌は自由席の改札を省略して次に行ってしまった。なんともいい加減だなぁ。

まぁいいか。というわけで,今日のところは おやすみなさい……。

3日目の旅行記へ

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