2006年01月08日
いよいよ旅も大詰め。
青森から,最終目的地である函館へと向かう6日目……なんだけど,いきなりトラブルが……。
青森駅の朝。
今日は青森駅 10:00 発の「特急 白鳥95号」に乗り,青函トンネルの途中にある海底駅「吉岡海底駅」を見学。その後,一気に函館へと向かう予定であった。
……が,いつまで待っても「白鳥95号」が入線してこない。
アナウンスがある。「白鳥95号は相当の遅れが見込まれます」とかなんとか。アナウンスを要約すると,小湊駅付近で貨物列車が故障し,線路をふさいでいるらしい。この故障した車両を引っ張って線路を空けるまで,白鳥は来られないとのこと。
大変なことになった。吉岡海底駅を見学する予定であったが,見学コースとしては
青森 10:00 発→吉岡海底 11:01 着(白鳥95号)
吉岡海底 12:58 発→函館 14:00 着(白鳥3号)
こんな感じなので,吉岡海底着が遅れると,どんどん見学時間が無くなっていく。それだけならまだしも,見学コースが中止になる可能性もある。
一抹の不安がよぎるが,すぐに復旧する見込みがないようなので,その辺をぶらぶらと散策に出かけた。
とは言っても,そんなにすぐに行けるところは限られているので,昨晩と同じく,かつての青函連絡船「八甲田丸」を見に行った。
夜に見ると不気味なモノだったが,日中に見るとそれなりに格好良い。
記念館がオープンしているようだったが,それよりもやはり列車の復旧の方が気にかかる。まだ無理だろうなあ,とは思いつつ,見学もそこそこに,そのまま駅まで引き返してきた。
青森駅は騒然としていた。函館行きの特急が全部とまっているので,時間が経つにつれ,だんだんと待ち人が増えてきたようだ。
待合室もいっぱいだし,やることも無い。
駅前で,蒸気に当たっている鳩を見つけた。鳩も寒いのだろう。
待ちくたびれたころ,吉報が入る。列車が復旧したらしい。時刻はすでに12時になろうとしていた。
結局,特急白鳥95号は,定刻を2時間以上遅れてやってきた。
吉岡海底の見学コースはどうなったのだろう……。車掌に聞こうと思っていたが,忙しいのか,全くやって来ない。そうこうしているうちに吉岡海底に近づいてきた。
アナウンスがある。「吉岡海底見学コースは中止となりましたので,吉岡海底では下車できません」と……。
なんとも言えない虚脱感の中,吉岡海底に到着した。
降りることはできないが,すでに駅を見学して帰る人たちを拾っていくようだ。この人たちは2時間も余分に海底に居られたのかと思うと,羨ましい限りである。
海底駅は,北海道新幹線の着工が始まるので,この夏にも閉鎖される予定である。吉岡海底駅内になぜかある「ドラえもん海底ワールド」も当然閉鎖となる。
さすがに青森は遠いので,これが最初で最後のチャンスかと思っていたが,今回の見学中止で,海底見学は絶望的になった。
あとで思うと,これは昨日,弘前で白鳥をいじめたバチが当たったのではないか。なんかそんな気がした。偶然にも特急の名前も「白鳥」である。
結局,函館駅には2時間以上おくれて到着した。JRの規則で,2時間以上の遅延があった場合,特急券は払い戻しとなる。改札前には,すでに臨時の払い戻し場が出来ていて,辺りは騒然としていた。
我々も,持っていた特急券と,海底駅見学コースの切符一式の払い戻しを受ける。
海底駅見学整理券は,記念にもらうことが出来た。これも良い思い出となるだろう。
気を取り直して函館駅。
大地を這いつくばい,ついに鉄路で北海道まで到達してしまった。遙か彼方の四国民としては,感慨深いものがある。
早速,荷物をコインロッカーに預け,ひとまず五稜郭を目指した。
路面電車に乗って,五稜郭の付近まで行くと,五稜郭タワー&建設中の新五稜郭タワーが見えてきた。
タワーに登り,展望室から五稜郭を望む。うむ,たしかに五稜郭だ。
実は昨日の晩,ちょうどNHKで「新選組!!土方歳三最後の一日」というドラマをやっていた。
まさに今日,五稜郭へ行くワタシのために放送してくれているのではないかと勝手に感激したのだが,それを見ていた分,より五稜郭を身近に感じることができた。
タワーを降りて,五稜郭へと向かう。
入り口で集合写真を撮った。碑があったが,文字が見えにくかったため,窪みに雪を詰めて見やすくした力作である。
散歩がてら,五稜郭を一周する。
そろそろ日も暮れかかってきた。我々は五稜郭をあとにし,再び路面電車に乗って函館山方面を目指した。
函館と言えば,日本三大夜景の函館山である。
ちょうど日も暮れたので,いい感じに夜景が望めるであろう。
函館山へはロープウェイが通じている。そのロープウェイ乗り場へ到着すると,すでに長蛇の列が出来ていた。さすが有名スポット。
往復の乗車券を購入し,ロープウェイに乗り込む。高度が上がってくるにつれ,夜景が見え始め,だんだんとまわりのテンションが上がってきた。
山頂に到着すると,大勢の人をかき分け,展望台を目指す。
すると,一面に広がる夜景。う〜ん,さすが日本三大夜景。
たしかに綺麗だった。街の両端に海が迫ってきている感じが良いのだろう。
ゆっくりと見ていたかったが,いかんせん寒い。超寒かったので,そそくさと引き返してきた。
大にぎわいだった函館山を下り,先ほどとは一転,静かな方へと足を伸ばす。
少し行くと,教会群があった。
昼間はそれなりに賑わっているのかもしれないが,すでに辺りは閑散としており,全く人気がない。
連日人気がないところばかり行っているので,こういう光景がデフォルトになりつつある。
夜の教会群はキレイにライトアップされており,不気味ではあるが,神秘的でもある。
本当に誰もいなかったので,行き倒れ写真を撮ったり,影を教会に映したりして遊ぶ。
調子に乗っていたら,この旅始まって以来の大転倒をした。危うくデジカメを踏みつぶすところであった。危ない……。
教会群からは,有名な坂を下って,赤レンガ倉庫の方面を目指す。
こちらもキレイにライトアップされており,先ほどとは打って変わって,観光客が大勢いた。これだけ観光客がいるのに,なぜ教会の辺りには全く人がいないのか不思議である。
体が冷えてきたので,その辺にあったラーメン屋でラーメンを食らい,そろそろホテルへ向けて歩みを進める。
路面電車には乗らず,海沿いを歩く。青森の「八甲田丸」に引き続き,展示されている元青函連絡船「摩周丸」を眺めると,いったんホテルへと戻った。
6泊7日の壮大なこの旅も,ついに6泊目。いつも適当な食事しか取らないが,最後くらいは,ということで飲みに行った。
ホテルでお勧めの店を聞き出し,たどり着いたのは「海のガキ大将」というお店。
存分に海の幸を堪能し,今回の旅を振り返りながら,函館の夜は更けていった。
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