メッコール


 これはもはや言わずと知れた「メッコール」である。原産国は大韓民国。販売元は、かの某宗教団体。
 不味いんだけど、なぜか愛飲者が多いんですよねえ(笑)、今でも日本全国の自動販売機で入手可能だそうな。

 しかしこの飲み物、異様に怪しい。某宗教団体絡みなのがあからさまに怪しいのだが、全体的に漂う嘘臭さがまた怪しくてよろしい。
 缶にこう書いてある。

「メッコールは大麦エキスと世界三大名水のひとつチョヂョン鉱泉水から生まれ、ビタミンが豊富に含まれたまったく新しいタイプの健康飲料です。」

 なんと健康飲料の部類にあらせられるのである。そして、含まれる栄養というのがまたすばらしい。

メッコール1本に含まれるビタミン
ビタミンB1・・・胚芽米4杯分(0.8mg)
ビタミンB2・・・たまご4個分(0.97mg)
ビタミンC・・・レモン5個分(82mg)
ナイアシン・・・オレンジ9個分(13.4mg)

 数値だけ見てもどれほどの栄養なのかよく分からんが、レモン5個分、オレンジ9個分などと書かれると、”こいつぁ相当すごいんじゃないか!”と思ってしまう。実際かなりすごそうだったので一応調べてみたのだが、日本人の平均栄養所要量によると、成人女性までならこれ1本で1日に必要なビタミンが足りるみたい、よほどすごい。
 健康のため、みんなメッコールを愛飲すべきかも知れん(笑)。

 しかし、そう簡単には飲めたものでもない。さらなる怪しさと人気(?)の秘密は、もちろんのことながらその味にある。一言で言えば「マズイ。」で済むのだが(笑)、それはもう口では言い表せないような複雑な味なのである。
 そんなこんなでなかなか良い言葉が見つからなかったのだが、以前、知り合いがかなり的確な表現をしてくれた。まさにその通り、と全会一致いたしたのでここに記す。

メッコールは、”コーラに麦茶とコーヒーを混ぜた味”なり。

 失笑してしまうが、まさにコレ。よほどの味だと言うのがお分かりいただけるであろうか。慣れればそれほどでもないのだが、初めて口にしたその瞬間は忘れられないのである。

 さて、日本全国津々浦々で入手可能と言えども、今では置いてある所はなかなか少ないのである。これに関してなんか興味津々な話を聞いた。この間、机の上に置いてあったメッコールを見て私の叔父が曰く。
「おっ、メッコール。また懐かしいなぁ。」
 どうやらメッコールをよく知っているらしいのだが、この次がすごい。
「昔はよく家にメッコールの訪問販売が来てたぞ、箱売りで。」
 と、曰うた(笑)。すごいですなぁ、こういう時代があったのだ。実際、メッコールがブイブイ言わせてたのが、十数年ないし数十年前なので、その頃はこれが日常茶飯事だったのかも知れぬ。メッコール箱買いなんて考えただけでも身震いがするが、昔はみな平気だったのであろうか・・・。
 というわけで、私はよく知らないのだが、以前は相当出回っていた模様。まさに伝説的な飲み物である。

 聞くところによると、現在、本家大韓民国の方では、「メッコール」に変わる新製品「メクッ」というのが販売されているらしい。なんか発音しにくい名前だが(笑)、これまたメッコールを踏襲とした良い飲み物であるらしいのである。
 日本ではまだまだメッコールが出回り、我々はそれを求め続ける。メッコール伝説は数十年の時を越え、なおも続いて行くのである。今後の動きにも目が離せない。

(2000/4/6)


メッコールパーソナルデータ
品名炭酸飲料
原材料名糖類(砂糖、果糖ぶどう糖液糖)、大麦エキス
酸味料、香料、ビタミンC
ナイアシン、ビタミンB2、ビタミンB1
内容量200ml
原産国大韓民国
輸入者株式会社ハッピーワールド

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