■電子計算機部恒例 第二回、三年生送別会のレポート(2000/3/19)

 マスコミが取り上げるような大々的なイベントならともかく、こんなローカルなイベントをわざわざ別ページのレポートにまとめる、ってのもどうかと思ったが、一応愉快であったし、それがこのページの趣旨であるので、その模様を詳細に書き記しておく。事情を知らないで見た人は、あぁ、なんかすごいイベントなんだなぁ、くらいに思ってくれれば幸いである。



第一章. こうして鍋が作られた。

 さて午前11時。小雨がパラつくあいにくの天気の中、学校前に集合したのが我々「徳島創作凧の会」の面々。

 ウソ。看板は「徳島創作凧の会」であったが、我々は「電算部」であった。しかしなんだろうなぁ、この看板は。あと、ここで断っておくが、以下で写真を勝手に使った方々ごめんなさいね、一応目は隠しておきますので・・・(よけいに怪しい)。

 しかしながら、どうも集まりが悪いのだ。光画部時間などは電算部には存在しないのだが、それでも時間通りにはなかなか集まらない。結局最終的には15人来たのだが、来ると言っておきながら来なかった人も居た。思い当たる節をあとで考えたのだが、我々は「校門前集合」と言っていたところを、雨が降っていたから「校門の少し中」に集まっていたのだ。さすがに校門からすぐ見えるところに居たから分からないわけないよなぁ、と鷹をくくっていたのだが、実際それに気づかずに先に現地に行ってた人が居たのも事実。その人は開催場所を知っているからよかったものの、「当日絶対行くからなぁ」と言って来なかった人は、ひょっとしたら分からずに帰ったかも知れん。・・・まぁいいや(いいかげん)。

 さぁ、そして到着したのが、会の開催地である地元の公民館。前にも言ったが、ここは今年になって完成したという、バリバリに新築な建物なのだ。我々はそこの「調理室」を使わせてもらうことになっていた。事務所の人に挨拶して、と、いざ行かん調理室。

 調理室、はっきり言って送別会を開くような場所ではないのだが、料理をするにはうってつけの場所であった(そりゃそうだが)。調理台4つに、調理具、皿、全て使い放題。そして、あとで思い返して「よかったぁ」と思うのは、なにより換気扇が5つあったことのように思う。やはり換気は大事で、臭いがこもって死にそうになった去年に比べ、それだけで「調理室にしてよかったぁ」と思うのには十分であったのだ。まず第一の教訓、「換気を十分考慮すべし」。

 さて、調理室に到着した我々は、早速調理を始める。鍋は2つ。くじ引きでどちらの鍋に付くか決め、お得意の悪のりで、どんどんデタラメなものを作っていくのである。いちおう、料理名は「謎鍋」と言う。定義しておくと、
事前に、当日何の鍋をやるかみんなに知らせない(というか誰も考えない)。 → 各自、当日やるであろう鍋を考え、それに相応した具を持ってくる。例えば、水炊きをするであろうと予想すれば水炊きの具を、と言う風に、何の鍋をやるか勝手に解釈して持ってくる。 → 当日、みんなの予想が見事に合致すれば、素晴らしい普通の鍋が出来上がる! → しかし、みんなの考えがバラバラなら、それ相応の鍋になる・・・。
 という、「もしかしたら全員の予想が一致して、ものすごくおいしい普通の鍋になるかも!?」的な期待が含まれている鍋、と以前説明したはず。が、まぁ予想されたことではあるのだが、もとよりみんな「当日は闇鍋をやるんじゃないかなぁ。」ってことで、「闇鍋」の具を持ってきているのである(あらら...)。中には堅実に普通の鍋の具を持ってきていた人も居たのだが、「闇鍋」を予想していた人が一人でもいれば、たとい普通の具10でさえも、1の闇鍋の具に飲み込まれてしまう。それほど恐ろしい鍋なのだ、闇鍋とは。しかし今回は”一応”「謎鍋」である、もしかしたらすごく美味い鍋ができるかもネ。一応ちょっと期待しておく。

 ちなみに、当日私の持っていった具(もちろん私は「闇鍋」をするつもりで行った)。「菜の花」、「とろけるチーズ」、「着色料(赤・緑・黄)」、「豆乳(とろみが増す)」、「メッコール(いただきもの)」。なんかどれも形が残らないような物ばかりなのだが、まぁ他はみんなが持ってきてくれるであろう、ということで、風味付けに徹した。特に「着色料」に関しては、味は付かないが、見た目がグロになる、結構いいかも?と思い、イチ押しで持っていった。しかし当日、同じ考えのやつが全く同じ着色料を持って来てたのには笑ったが(笑)。

 というわけで、いざ、グツグツと、わけの分からぬ具を煮るのである。

 煮ている途中の写真。なんか普通の鍋っぽくて美味しそうですね。
 しかし、臭いはそれ相応だったりする。先に述べた換気扇のおかげで、幾分マシなものの、初体験の1年生なんかは悶絶していた(いや、気絶はしてないが)。で、そろそろこの辺りでみんな恐れ始めるのである、「ホントにこれを食べるのか?」ってな具合に。そしてついに、どこからともなくこんな案が浮上し始めた。
「もう一つ、普通の鍋も平行して作ろう。」
 全会一致(笑)。闇鍋をしようと用意してきている割には、みんな案外あっけないもんである、俺も。

 一見男ばかりの電算部も、実は女性部員なんかも居るのである。三年生唯一の女性部員の方には断られたと以前書いたが、他にも二年生が4人、一年生は1人居る。二年生の4人はほぼ幽霊なのだが(笑)、この一年生の1人ってのが素晴らしい。男ばかりの電算部に単身乗り込んできて、しかも馴染んでいらっしゃる。今回の謎鍋会にも、唯一の女性部員として出席しているのである(!)。
 しかしなんと言ってもこれが幸いであった。彼女はおもむろに料理の本を取りだし、用意周到なことに、ダシとかも持ってきていたのである。そして、先立って普通の鍋をテキパキと作ってくれた。なんかもう、我々にとっては彼女は神様の如き存在であったわけで。これほど料理の出来る人が羨ましく見えたのも初めであった。第二の教訓、このような時のために、料理の出来る人にも参加してもらおう。

 かくして、3つの鍋が同時進行で煮られていくのである。

 で私はと言うと、そんな鍋を後目に「プリン」と「ゼリー」の制作にかかった。これも口直しのためである。なんだかんだ言って用意してきているのである(笑)。
 制作は順調に進んだ。と言えばすごいことをしているように聞こえるが、要は、湯を沸かす→湯で粉(素)を溶かす→水を入れる、で終わりなのだ。簡単でいいですなぁ、こんなに簡単に作れる便利なものもあるとは知らなかった。でもこれじゃああまりに簡単で呆気なさすぎやしないか?
 そう思った私は、持っていた着色料でいろんな色付けを始めた。ゼリーはともかく、赤や緑のプリン、ってのも珍しくていいかなぁ、ってな感じで、どんどん色を混ぜた、混ぜた。必ずしも体に良くないと分かっていても、なんかこの「食品の着色」というのは癖になるのだ。いろいろ応用したらおもしろいかも知れませんねぇ。赤い牛乳とか、緑のパンとかも作れたりします。いやぁ、良いもんだ着色料。
 そんな着色料に思いを馳せながら、いい加減に色を混ぜたプリン&ゼリーを冷凍庫に放り込む。急速冷凍〜。さぁどうなってるでしょうか。

第二章. かくして鍋が食らわれた。

 ぐつぐつぐつ。かくして二つの謎鍋は出来上がり、いよいよ皆が鍋を囲んだ。途中耐えきれなくなった一年が抜け駆けして「肉まん」を食べているのを発見され、汁飲み(これは後ほど)が決定するという不祥事があったのだが(笑)、死傷者もなく(おいおい)無事にここまで事が運んだ。口直しの「普通鍋」も完璧である。さぁ、いざ鍋をつつく時!

 まずはA鍋の紹介です。

 あれですね、見事なまでに「闇鍋」してます(笑)。これぞ闇鍋の王道みたいな感じに仕上がってしまった。
 パーソナルデータ。ダシはチーズ、ひたすらチーズを溶かし、さらに豆乳とかメッコール、フルーツ缶詰の汁、ホワイトチョコレート。具は、浮いている黒い物がヒジキ。麺はクロレララーメン。このクロレラは、食紅にうち勝ち、鍋を緑に染めた強者。オレンジ色っぽく見えるのがソーセージ。底には牛肉が潜み、あと誰も正体が分からなかった得体の知れない物が浮いている。

 さぁ緊張の試食。こりゃたぶん食えた物ではないなぁ、と思っていたのだが、なんとそんな期待に反し、以外と食えるのである!!「美味しくはないが、食べれないこともない。」というのが、私と法皇(元部長)さんの言葉。
 思い出すのが去年の闇鍋である。一昨年のはもう忘れてしまったのだが、少なくとも見た目と臭いまでは去年のそれ(ちなみにこれ)と同じであった。はっきり言って去年の闇鍋は不味かった。「食べられないこともない。」まで行かないのである、「食べられません。」だったのだ。口に入れた瞬間、喉が受け付けなくてウゲッっと戻ってくる不思議体験(笑)。それと比べて、この鍋のどれだけ食べやすいことか。不味いには変わりないが、”一応”食えることに感動を覚えたのであった。でもバクバク食ってたのは俺と法皇さんだけ(笑)。みんなもっと食えよ〜。

 さて、お次はB鍋です。

 むむ!これは美味そうだゾ!!作っている最中からあきらかにA鍋とは様子が違っていたB鍋。2つ上の写真もこのB鍋であります。
 パーソナルデータ。まず、上に乗ってる気になるやつ。これはアンパンマンの、メロンパンナのメロンパン(笑)、その上にカレーがかかっている。これがなんと言っても美味そうである。俺はA鍋に徹していたのでこちらの鍋はあまり分からないのだが、とりあえず浮いているハンペンみたいなのは冷凍ピザである。緑のが菜の花。あとはリンゴ、柿の種なんかを含む。

 さて試食、なのだが、明らかにこの鍋は美味そうだ。煮込んだ末にこの格好、ってのは前代未聞ではないだろうか、とにかく見た目は良い。
 味はと言うと・・・、これまた良い!「美味しくはないが、食べれないこともない。」の段階ではあるものの、A鍋よりもさらに食べやすかった。リンゴなんて、普通は味が染みついて喉が受け付けない類なのだが、ちょっと鼻をつまむと以外と簡単に食べれた(これは簡単と言わないか...)。どちらにせよ、これは闇鍋にしてはかなり良い部類の鍋なのでは?(でもみんな食べない、せっかくだから食べろよ〜)

 そんなわけのA鍋B鍋、俺的には全然平気だったのだが、逃げ出す人続出(笑)。しかたないのでほどほどにして、口直しの「普通鍋」を食らうのであった。こうなるともう誰も「闇鍋」の方は食べない、無情だ。
 しかしながら、この「普通鍋」が異様に美味い!美味い!美味すぎる!!素晴らしいですなぁ、偉大です「普通鍋」。この段階で、臭い闇鍋は蓋をされる、ああ無情。ここで第三の教訓、「”普通鍋”は偉大である」。

 さて、口直しと言えばもう一つ、私が作ったプリン&ゼリーを忘れてはならない。満を持して冷凍庫から取り出されるのである。ジャジャ〜ン!!!

 グワッ!!ナンダコレハ!!
 当方の予想以上に、それはものすごいことになっていた。断っておくが、左3つがプリンで、右2つがゼリーである。ゼリーはともかく、このプリンの存在にはひたすら驚くばかりであった。「赤いプリン」、これはまだ「いちごプリン」ってな感じで、少しは食用をそそる(?)。が、その下のは酷い。「なんだこれは!カビが生えてるぞ!」と言われてもおかしくはないこの「ブチ」。もはや食べ物の色では無くなってしまっていた。
 まさにナマコを初めて食べた人の心境であろうか、恐る恐るスプーンをのばす・・・。パクっ。・・・ん!「プリン」!!
 まぁ冷静に考えれば当たり前と言えば当たり前、ただの着色料なのだから。しかし見た目と味のギャップが異様に楽しい感じです。ただ、あまりの着色料のキツさに、歯が緑に染まる(笑)。食べた後には、緑やら赤やらの色が皿に付き、一体何を食べたんだ〜!!!って後で思う感じのドギツイ色が残った。魔の食べ物である。お試しアレ。

 さて、口直しをしたと言うのに、突如訪れるのが、そう、恒例の「闇汁飲み」である!!
闇汁のみとは!!
 世界では、今この瞬間にも飢餓に苦しんでいる人々が居るというのに!食べ物を粗末にし、あまつさえ食べずに捨ててしまうとは何事か!!
 というわけで、作った物は食べれなくても、せめて随まで味わいましょう、という旨で生まれたのが「闇汁飲み」である。これをやらなければならないのは、「闇汁飲み白書(1999年発行)」に記されている通り(ウソ)、部内上層部(元部長、元副部長、前部長、前副部長、現部長)、及び「くじ引きで選ばれた人」、他適宜である。どんなに苦しい状況とも、飲まねばならないのが定めである!!
 というわけだ。今年「闇汁飲み」の儀式(?)に選ばれたのは、部内上層部5人(俺含む)と、くじ引きで選ばれた、なぜか来ている地学部員1人、そして、途中抜け駆けして肉まんを食っていた不届きなやつ(笑)1人。コップに、ドロドロとしておどろおどろしい汁を注ぎ・・・

乾杯!!

・・・!?

 ・・・あははははははは、気が狂いますよ、こりゃ。具がまぁまぁ食べれたからと言って、油断したのがいけなかった。予想以上にヤバイ!これはヤバすぎる!!殺人兵器にもなりかねん。この後みんな、流しのところで吐いたとさ(笑)。
 こう見えても、この中の二人(俺含む)は、去年同じ様な闇汁を、なんと「コップ二杯」飲んでいるのである(もとい、次の日以降腹痛で苦しんだが・・・)。それでも、今年のは一口で限界であった。ある人曰く、「不味いと言えども、全く口に入れられなかったのは初めてだ・・・。」。まさにその通り、この「具の味」と「汁の味」は必ずしも比例しないようです。やる方は、お気をつけ下さい・・・。あぁ思い出しただけでも・・・。

第三章. さうして鍋がしまわれた。

 なんだかんだで、食べる物も食べ、最後に悲惨なことがあったものの、去年と今年両方に参加している5人は思った。「なんか去年より遙かに良い!!」。
 これは、正直思うところである。やはり違いは、「調理室」と「座敷」の違い、「口直し」の違いであろう。意外と調理室というのは便利すぎるほどの場所であった。こんなにいい会場はありませんぜ。闇鍋するんなら、出来ることならぜひ「調理室」でやりましょう。第四の教訓でございます。

 さて、後は散らかった会場の後かたづけである。・・・のだが、片づけに関しては妙に手際が良い。あっという間にきれいな元通りの調理室に!素晴らしいです。

 んで、最後に写真をパシャリ!

 ここまで徹底して目隠しすると怖いですなぁ。別に悪い事した人たちじゃあありませんよ(笑)。
 しかしなんだかんだ言って、いい部でございます。

 さて、それで一通り終わったのだが、残るは「ゴミ処理」の問題である。ここの公民館の利用規程として、「出たゴミは各自持って帰る」とある。これに困ったのである。ものすごい量のゴミがあり、捨てる場所がなかったのだ。
 まぁ仕方がないので、缶・ビンはコンビニのゴミ箱へ。が、異様な臭い漂う生ゴミ含む燃えるゴミ、さらに燃えないゴミの置き場に困った。まさかこれまでコンビニのゴミ箱に突っ込むわけにはいかないので、途方に暮れていたその時!
 車に乗ってさっそうと顧問の先生登場!途中でも一度見に来たのだが、また来てくれたようである。しかも引っ越しの途中ときた。これは好都合、とばかりに、ゴミも引っ越しの荷物と一緒に積んでいってもらうのであった。ありがたや〜、先生様々である。

 というわけで、いろんな人の協力があり、今回の謎鍋大会は無事終了したのであった。たまには、これだけバカ騒ぎするのもいいもんである。ただこの騒ぎ方が、電算部らしいというか、なんというか。これだけの事がやれたことを誇りに思うと共に、やはりこれが出来る電算部という仲間の存在がすばらしいじゃありませんか。と、言うところで今回はまとめるのだ。来年は楽しみにしてますぞ、現部長さん。
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